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Episode 86

アジア太平洋市場完全攻略:台湾・インドネシア・ベトナムの収益チャンス

12分 8チャプター 日本語
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スクリプト

Chapter 1

オープニング

タカシ

皆さんこんにちは、ゲーム開発者のためのマーケティングポッドキャストへようこそ。今日は、インディー開発者にとって見逃せないアジア太平洋市場、特に東南アジアの収益チャンスについてお話しします。

ミカ

タカシさん、こんにちは。アジア太平洋市場って、中国や日本のイメージが強いんですけど、東南アジアも注目すべきなんですか?

タカシ

実は、アジア太平洋市場は世界のゲーム市場の52パーセント以上を占めているんです。2024年で1070億ドルから1360億ドル規模。その中で東南アジアは急成長中なんですよ。

ミカ

世界の半分以上がアジアなんですか!それは知りませんでした。

Chapter 2

台湾:最優先市場

タカシ

では、国別に見ていきましょう。インディー開発者にとって最も魅力的な市場は、意外にも台湾なんです。

ミカ

台湾ですか?中国本土じゃなくて?

タカシ

ここがポイントなんですが、台湾のARPU、つまり1ユーザーあたりの年間収益が535ドルから982ドルと、東南アジアで圧倒的に高いんです。

ミカ

ARPUって何ですか?

タカシ

Average Revenue Per Userの略で、ユーザー1人あたりがどれくらいお金を使ってくれるかを示す指標です。台湾は月額で3000円から1万円くらい使ってくれるんですよ。

ミカ

それは結構な金額ですね。でも、言語は中国語ですよね?

タカシ

驚くべきことに、台湾ユーザーの94パーセントがローカライズを希望しているというデータがあります。繁体中国語に対応するだけで、大きなリターンが期待できるんです。

ミカ

94パーセント!ほぼ全員じゃないですか。日本のゲームとの相性はどうなんでしょう?

タカシ

台湾はアニメ風やピクセルアートのゲームとの相性が非常に良いです。NEEDY GIRL OVERDOSEは東南アジアライセンスを取得していますし、8番出口も海外売上の85パーセント以上がアジアを含む地域からなんですよ。

Chapter 3

インドネシア:最大のダウンロード市場

タカシ

次に注目すべきはインドネシアです。ここは東南アジア最大の市場で、2025年の市場規模は44億ドルに達しています。

ミカ

44億ドル!かなり大きいですね。

タカシ

さらに驚くのは、2025年第1四半期だけで8億7000万回のダウンロードがあったことです。これは前期比で9パーセント増加しています。

ミカ

8億7000万回!でも、そんなに大きい市場なら、競争も激しそうですよね。

タカシ

ここが重要なポイントなんですが、インドネシアは96パーセントがモバイルユーザーなんです。つまり、Steam向けのインディーゲームにとっては、PC市場はまだ限定的なんですね。

ミカ

なるほど、モバイル中心なんですね。じゃあ、どう攻めればいいんでしょう?

タカシ

まずPCで成功してから、モバイル移植を検討するのがお勧めです。Coffee TalkやA Space for the Unboundなど、インドネシア発のゲームも世界的に評価されていますからね。

Chapter 4

ベトナム:Steam最安価格の好機

タカシ

3番目に注目すべきはベトナムです。ここには意外な好機があります。

ミカ

ベトナムですか。どんな特徴があるんですか?

タカシ

実は、ベトナムはSteamの地域価格で世界最安レベルなんです。アメリカ基準の40パーセントから60パーセント安く設定できます。

ミカ

えっ、そんなに安いんですか?それだと利益が出ないんじゃ...?

タカシ

ここが面白いところで、ベトナムには5400万人のゲームユーザーがいて、年間9パーセントで成長しているんです。低価格でもボリュームで収益を確保できる可能性があります。

ミカ

なるほど、薄利多売的な考え方ですね。

タカシ

しかも、ベトナム語にローカライズしている競合はまだ少ないので、差別化のチャンスがあります。ベトナム発のパブリッシャーがグローバルダウンロード1位を獲得した事例もあるんですよ。

Chapter 5

タイ・マレーシア・フィリピンの特徴

ミカ

他の国はどうなんですか?タイとかマレーシアとか。

タカシ

タイは2030年に26億ドル市場になると予測されていて、成長率が東南アジア最高です。政府がeスポーツに290万ドルの基金を出しているほど、ゲームに力を入れています。

ミカ

政府が支援してるんですか!でも、英語は通じるんでしょうか?

タカシ

残念ながら、タイは英語普及率が非常に低いんです。Steamの言語シェアでもタイ語は0.81パーセントしかない。タイ語ローカライズがほぼ必須と考えた方がいいですね。

ミカ

マレーシアはどうですか?

タカシ

マレーシアは興味深い市場です。ネット普及率が97パーセントと非常に高く、旧イギリス領なので英語普及率も高い。しかもXbox Game Passが2022年から展開されているので、サブスクリプション経由での露出機会もあります。

ミカ

フィリピンは?

タカシ

フィリピンは英語が公用語なので、ローカライズ不要でリーチできます。ただし、銀行口座を持っていない人が多く、25パーセント以上がキャリア課金を使っている。決済面でのハードルがあるんですね。

Chapter 6

ローカライズ優先順位と価格戦略

ミカ

色々な国があって、どこから手をつければいいか迷いますね。ローカライズの優先順位はどう考えればいいんでしょう?

タカシ

お勧めの優先順位は、まず繁体中国語で台湾をカバー。次に英語でフィリピン、マレーシア、シンガポールをカバー。その後、インドネシア語、ベトナム語、タイ語の順ですね。

ミカ

ローカライズのコストってどれくらいかかるんですか?

タカシ

繁体中国語や簡体中国語で3000ドルから1万ドル、インドネシア語で2000ドルから5000ドル程度です。コミュニティ翻訳を活用して校正だけプロに頼めば、60から70パーセントのコスト削減も可能ですよ。

ミカ

価格設定はどうすればいいんでしょう?地域によって違うんですよね?

タカシ

Steamの地域価格を活用するのがベストです。ベトナムやインドネシアは40から60パーセント安く設定できます。ただ、Valveが2022年に東南アジア向け価格上昇を推奨しましたが、開発者判断で従来価格を維持することも可能です。

Chapter 7

プラットフォーム比率と決済手段

ミカ

さっきモバイルが多いって話がありましたけど、プラットフォームの比率ってどうなってるんですか?

タカシ

東南アジア全体でモバイルが71.5パーセント、PCが22パーセント、コンソールが8パーセントです。インドネシアに至っては96パーセントがモバイル。台湾はPCとコンソールが増加傾向にあります。

ミカ

決済手段も気になります。クレジットカードが使えない地域もあるんですよね?

タカシ

そうなんです。東南アジアではEウォレットが主流で、インドネシアならGoPay、OVO、Dana、ベトナムならMoMo、ZaloPay、タイならPromptPayやTrueMoneyが使われています。

ミカ

Steamはこれらに対応してるんですか?

タカシ

Steam Walletへのチャージは現地の銀行振込やカードで可能なので、基本的には問題ありません。ただ、フィリピンのようにキャリア課金が25パーセント以上という市場もあるので、その点は把握しておくといいですね。

Chapter 8

クロージング

タカシ

さて、今日のポイントをまとめましょう。アジア太平洋市場、特に東南アジアは、インディー開発者にとって大きなチャンスがある地域です。

ミカ

台湾が最優先で、高いARPUと94パーセントのローカライズ希望率。インドネシアとベトナムはボリュームで勝負ということでしたね。

タカシ

その通りです。推奨戦略としては、まず英語と繁体中国語でSteam展開し、成功したらモバイル移植を検討する。ローカライズは台湾向けを優先して、その後インドネシア語、ベトナム語と広げていく流れですね。

ミカ

英語だけで東南アジア全域を狙うのは避けた方がいいんですよね。

タカシ

はい。タイやインドネシア、ベトナムは英語普及率が低いので、英語だけだとリーチが限定されます。あと、モバイル先行も発見困難でCPIが高いので、PC成功後の移植をお勧めします。

ミカ

今日はアジア太平洋市場の収益チャンスについて、とても勉強になりました。リスナーの皆さんも、ぜひ台湾やベトナムへの展開を検討してみてくださいね。

タカシ

それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。

ミカ

さようなら!