スクリプト
Chapter 1 オープニング
皆さんこんにちは、インディーゲーム開発者のためのマーケティングポッドキャストへようこそ。今日は、多くの開発者が気になっているであろうTikTokとYouTube Shortsについてお話しします。
タカシさん、こんにちは。TikTokって、インディーゲームがバズって一夜にして成功する、みたいな話をよく聞きますよね。
実は、そこが今日の核心なんです。TikTokのオーガニックリーチは2025年に入って急激に減少していて、かつての「無料で数百万再生」は過去のものになりつつあります。
えっ、それは衝撃的ですね。じゃあ、もうTikTokは使えないってことですか?
いえ、使えないわけではありません。ただ、戦略を変える必要があります。今日は成功事例と最新のプラットフォーム動向を詳しく見ていきましょう。
Chapter 2 驚異の成功事例:Nubby's Number Factory
まず、2025年の驚くべき成功事例を紹介しましょう。Nubby's Number Factoryというゲームなんですが、ローンチ時のウィッシュリストがたった1500件だったんです。
1500件って、そこまで多くないですよね。普通だと何本くらい売れるんでしょう?
通常、ウィッシュリスト転換率は10から20パーセント程度なので、1500件なら150から300本程度です。ところがこのゲーム、初月でなんと20万本売れたんです。
20万本!133倍ってことですか?それは異常な数字ですよね。
まさにその通りです。秘密は開発者のTikTok戦略にありました。レトロ3Dグラフィックの制作チュートリアル動画が150万再生を記録して、バイラルしたんです。
チュートリアル動画ですか。ゲームプレイじゃなくて、作り方の動画がバズったってこと?
そうなんです。開発者は「攻撃的で、奇妙で、内臓的で、テクスチャ感のあるイメージ」を意図的に作ったと語っています。制作プロセス自体をコンテンツ化することで、ゲームへの興味を喚起したんですね。
Chapter 3 他の成功事例と共通点
他にも成功事例はあるんですか?
はい。Another Crab's Treasureというゲームは、TikTokで36万フォロワー、1000万いいね以上を獲得しました。開発チームがコンテンツ制作に直接参加したことが成功の鍵でした。
開発者自身が出るのが効果的なんですね。マーケティング担当者だけじゃダメなんですか?
ポイントは「真正性」、オーセンティシティなんです。開発者がアイデアを出し、専用のゲーム内コンテンツまで作ることで、視聴者は本物だと感じるんですね。
なるほど。他にはどんな事例がありますか?
The Ouroboros Kingという事例が興味深いです。10ヶ月かけて集めたウィッシュリストがたった500件だったのに、ローンチ2週間前には2万件に跳ね上がったんです。
40倍ですか!2週間で何をしたんでしょう?
ストリーマーへのターゲット化されたアウトリーチです。ローグライクとチェス好きのストリーマーをリサーチして、パーソナライズされたデザイン性の高いピッチ資料を送ったんですね。
Chapter 4 プラットフォーム比較:TikTok vs YouTube Shorts
さて、ここからが今日の核心部分です。TikTokとYouTube Shorts、どちらを使うべきなのか、データで見ていきましょう。
TikTokの方がバズりやすいイメージがありますけど、実際はどうなんですか?
意外なことに、小規模アカウントではYouTube Shortsの方が有利なんです。フォロワー1000から5000のアカウントで、YouTube Shortsは平均2600再生なのに対し、TikTokは660再生なんですよ。
4倍近く違うんですか!それは大きいですね。
さらに重要なのがコンテンツ寿命です。TikTokは投稿後24から48時間でピークを迎えて急速に減衰しますが、YouTube Shortsは数週間から数ヶ月、場合によっては数年後も発見される可能性があります。
なぜそんなに違うんですか?
YouTube Shortsは検索エンジンと連携しているからです。「アップロード日」で順位付けしないので、古い動画でも関連性があれば表示されるんですね。TikTokは「瞬間を制す」、YouTube Shortsは「アーカイブを制す」と表現されています。
Chapter 5 TikTokアルゴリズムの激変
でも、TikTokで成功した事例もありましたよね。何が変わったんですか?
2019年から2022年がTikTokの黄金期でした。ゼロフォロワーでもバイラル可能だったんです。しかし2024年から減少が始まり、2025年には急激に加速しました。
なぜ減少したんでしょう?
3つの理由があります。まず、プラットフォームの飽和。毎分1万6000以上の動画がアップロードされているんです。次に、TikTokがTikTok Shopや有料広告を優先する収益化モードに移行したこと。そして、視聴時間と完了率を重視するアルゴリズム変更です。
じゃあ、もう無料でリーチを得るのは難しいってことですか?
難しくなっていますね。ある開発者の事例では、TikTok15万フォロワー、Instagram3万8000、YouTube2万4000を持っていても、2025年後半にTikTok再生数が急落したと報告されています。
Chapter 6 効果的なコンテンツ戦略
それでも成功している人がいるなら、何が違うんでしょう?
エンゲージメント率のデータを見ると答えが見えてきます。ゲームチュートリアルは6.4パーセント、教育コンテンツは9.5パーセントと非常に高いんです。対して15秒未満の動画は2.95パーセントに留まります。
短い動画の方がいいと思ってました。60秒以上の方がいいんですか?
そうなんです。60秒超えの動画は6.7パーセントのエンゲージメント率を記録しています。2025年のアルゴリズムは総視聴時間を重視しているので、短すぎると不利なんですね。
開発ログが効果的って話でしたけど、他にはどんなコンテンツがいいんですか?
面白シーンやグリッチの動画がバイラル可能性最高です。Co-opホラーゲームの「チームワーク失敗」クリップが400万エンゲージメントを達成した事例もあります。物理演算による予測不能な挙動を許容・活用するのがコツですね。
Chapter 7 有料プロモーションの現実
オーガニックが難しいなら、やっぱり広告費が必要ってことですよね。どれくらいかかるんですか?
インディー開発者の場合、1キャンペーンあたり500から2000ドル、日本円で約8万円から30万円程度が目安です。これでSpark Adsという既存の高パフォーマンスコンテンツをブーストする広告が打てます。
Spark Adsって何ですか?
オーガニックで良いパフォーマンスを出した動画に広告費を追加して、さらに拡散させる仕組みです。重要なのは、有料プロモーションはオーガニックリーチを殺さないとTikTokが公式に表明していることですね。
コスト効率はどうなんですか?
TikTokのCPMは2.6から6.6ドルで、Metaの9から15ドルより低いです。10万人にリーチするのに300から500ドル程度。ウィッシュリスト獲得コストは1から5ドルを目標にすると良いでしょう。
Chapter 8 具体的な戦略とまとめ
結局、インディー開発者はどうすればいいんでしょう?
3段階で考えましょう。まず、リリース6ヶ月以上前のフォロワー獲得期。開発ログや制作チュートリアルを週3から5回投稿して、オーガニックでフォロワー基盤を作ります。
リリースが近づいたらどうするんですか?
リリース3ヶ月前からがコンバージョン期です。ゲームプレイハイライトやデモ訴求に切り替えて、高パフォーマンスコンテンツにSpark Adsで500から2000ドルを投入します。
ローンチ時は?
ローンチ期は毎日投稿して、プレイヤーリアクションや面白クリップ、ストリーマーコラボを展開します。予算は2000から5000ドルを集中投下するのが効果的です。
プラットフォームはTikTokとYouTube Shorts、どちらを優先すべきですか?
両方を並行運用するのがベストです。即時バイラルを狙うならTikTok、長期的発見可能性を重視するならYouTube Shorts。特に小規模アカウントはYouTube Shortsの方がリーチを得やすいことを覚えておいてください。
Chapter 9 クロージング
今日のポイントをまとめましょう。TikTokのオーガニックリーチは減少していますが、戦略次第でまだ成功は可能です。
開発ログや制作チュートリアルが効果的で、60秒以上の動画の方がエンゲージメントが高いんでしたよね。
その通りです。そして、YouTube Shortsとの並行運用が重要です。コンテンツ寿命の違いを活かして、短期と長期の両方でリーチを狙いましょう。
有料広告も必要だけど、Spark Adsで効率的に使えるんですね。
はい。Nubby's Number FactoryやAnother Crab's Treasureの事例が示すように、正しい戦略と真正性のあるコンテンツがあれば、今でも大きな成功は可能です。
今日はTikTokとYouTube Shortsの最新事情、とても勉強になりました。リスナーの皆さん、ぜひショート動画マーケティングに挑戦してみてくださいね。
それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。
さようなら!