スクリプト
Chapter 1 オープニング
皆さんこんにちは、ゲーム開発者のためのポッドキャストへようこそ。今日は、日本のインディーゲーム開発者がどうやって資金を調達すればいいのか、というテーマでお送りします。
タカシさん、こんにちは。資金調達って、インディー開発者にとっては本当に切実な問題ですよね。どこから手をつければいいかわからない人も多いと思います。
まさにそうなんです。実は今、日本のインディーゲーム開発者を取り巻く資金調達環境が大きく変わってきているんですよ。政府支援が本格化してきました。
政府支援ですか?国がインディーゲーム開発を支援してくれるんですか?
はい。特に経産省の「創風」というプログラムが注目されています。今日は助成金から投資家、クラウドファンディングまで、フェーズ別の資金調達戦略をお伝えしていきます。
Chapter 2 経産省「創風」:最大500万円の補助金
では最初に、今最も注目すべき支援制度、経済産業省の「創風」についてお話ししましょう。
「創風」ってどんなプログラムなんですか?名前は聞いたことがあるような気がします。
2024年に始まった政府主導のインディーゲーム支援プログラムです。驚くべきことに、最大500万円の補助金が出るんです。しかも補助率は2分の1なので、1000万円のプロジェクトなら500万円が戻ってくる計算です。
500万円!それはかなり大きいですね。でも、何か条件があるんじゃないですか?
実は、ここが嬉しいポイントなんですが、2025年度から年齢制限が撤廃されたんです。以前は35歳未満限定だったんですが、今は誰でも応募できます。
へえ、それは嬉しいですね。30代後半以上の開発者にも門戸が開かれたんですね。
さらに、お金だけじゃないんです。約400時間の専門家によるメンタリング支援がついてきます。スペインのゲームインキュベーター「GameBCN」への派遣機会や、東京ゲームショウへの出展機会もあります。
お金以外のサポートも充実しているんですね。募集はいつなんですか?
毎年4月に募集が始まって、4月末が締め切りです。7月に選考結果が発表されて、そこから9か月間の支援期間が始まります。2025年度は過去最多の20組が採択されました。
Chapter 3 その他の助成金・補助金制度
創風以外にも助成金ってあるんですか?
もちろんです。文化庁のメディア芸術クリエイター育成支援事業も見逃せません。こちらも最大500万円の支援があります。
文化庁もゲームを支援してくれるんですか?
はい、ゲームはメディア芸術の一分野として認められています。こちらは活動歴5年以上か受賞歴があって、概ね40代までの方が対象です。5月頃に締め切りがあります。
若手向けの助成金はありますか?
日本ゲーム文化振興財団の「ゲームクリエイター助成制度」があります。35歳以下限定で、最大200万円。毎年9月から12月に募集しています。
なるほど、年齢や経験によって使える制度が違うんですね。
その通りです。30歳以下ならCESAのトップゲームクリエイターズ・アカデミーも選択肢になります。レベルファイブの日野晃博さんがプリンシパルを務めている本格的なプログラムです。
Chapter 4 クラウドファンディングの活用
さて、助成金以外の資金調達手段として、クラウドファンディングについてお話ししましょう。
クラウドファンディングって、日本だとどのプラットフォームがいいんですか?CAMPFIREとかMakuakeとか、色々ありますよね。
ゲーム開発に関しては、Kibidangoが最もおすすめです。ゲームやガジェットに特化していて、なんと成功率が約80パーセントなんです。
80パーセント!それはすごい成功率ですね。実績はあるんですか?
驚くべき実績があります。X68000 Z関連のプロジェクトでは、累計で約9億円を調達しています。2025年のX68000 Z2だけでも3億円を達成しました。
9億円ですか!クラウドファンディングでそんな金額が集まるんですね。
しかもKibidangoは海外展開のサポートもしてくれます。KickstarterやIndiegogoへの展開をサポートしてくれるので、日本市場だけでなくグローバルに資金を集めることも可能です。
CAMPFIREはどうなんですか?
CAMPFIREは国内最大規模で、累計支援者数が約1300万人、プロジェクト実績は約10万件です。ゲーム特化ではないですが、幅広いジャンルで使えるのが強みですね。
Chapter 5 パブリッシャー契約の実態
次に、パブリッシャー契約についてお話ししましょう。ここには知っておくべき数字があります。
パブリッシャーって、開発費を出してくれるんですよね?どれくらいもらえるものなんですか?
前金ありの場合の平均は46万ドル、日本円で約4850万円です。ただし、幅は大きくて、10万ドルから200万ドル、つまり約1000万円から2億円以上まであります。
4850万円が平均ですか。でも、その代わりに売上の何割かを持っていかれるんですよね?
ここが面白いんですが、よく言われる「50対50」は実は迷信なんです。業界平均では開発者側が60パーセント取っています。前金なしの場合はなんと71パーセントが開発者の取り分です。
えっ、開発者側が多く取れるんですか?50対50だと思ってました。
さらに、ゲームがほぼ完成していて前金なしで契約する場合は、80から90パーセントが開発者の取り分になることもあります。交渉次第ですね。
日本のパブリッシャーだとどこがいいんですか?
Phoenixxは日本クリエイターの海外展開に強いです。Room6は「ローグウィズデッド」で100万ダウンロードを達成した実績があります。マーベラスのiGiプログラムも、約100社のパブリッシャーがデモデイに参加するので、マッチングの機会として優れています。
Chapter 6 VCと投資家からの調達
ベンチャーキャピタルからの投資ってどうなんですか?インディーゲームでも調達できるんでしょうか。
できます。2025年のシードラウンドの相場は3000万円から1.5億円程度です。AI関連の技術を使っている場合は、さらに大きな金額も可能です。
ゲーム業界に詳しいVCってあるんですか?
STRIVEはGREE系列で、日本と東南アジア、インドに投資しています。23社のエグジット実績があります。ANOBAKAはKLab関連で、シード期のインターネット関連に強いですね。
海外の投資家は日本のゲームスタジオに興味あるんですか?
実は、2025年から海外VCの日本市場への関心が高まっています。日本政府のスタートアップ支援策強化や、グローバル市場での日本企業の技術力の再評価が背景にあります。
でも、言葉の壁とかありそうですよね。
確かにそれは課題です。ただ、創風やiGiのような支援プログラムが、海外投資家やパブリッシャーとのマッチング機会を提供してくれるので、そういった場を活用するのがおすすめです。
Chapter 7 フェーズ別資金調達戦略
では、開発フェーズ別の資金調達戦略をまとめましょう。これが今日一番大事な部分です。
お願いします。具体的にどう進めればいいんでしょう?
フェーズ1、プロトタイプ開発期。まず自己資金でスタートして、創風やiGiに応募します。4月から5月が募集期間です。同時に文化庁やゲームクリエイター助成も狙っていきます。
複数の助成金に同時に応募するんですか?
はい、募集時期が違うので、タイミングを見て複数応募するのが賢明です。フェーズ2の開発中期では、クラウドファンディングを活用します。Kibidangoがおすすめですね。並行してパブリッシャーへのピッチも始めます。
東京ゲームショウとかBitSummitですね。
その通りです。TGSの「SELECTED INDIE 80」なら、無料でブースが使えます。フェーズ3、完成間近からリリース期では、パブリッシャー契約で前金を獲得したり、スケールアップが見込めるならVCからシード投資を受けることも検討します。
なるほど、段階的に選択肢が変わっていくんですね。
Chapter 8 クロージング
さて、今日のポイントをまとめましょう。日本のインディーゲーム開発者を取り巻く資金調達環境は、大きく改善しています。
創風が最大500万円、文化庁も500万円、クラウドファンディングは成功率80パーセントのプラットフォームがある。選択肢が豊富ですね。
その通りです。パブリッシャー契約も、開発者側が平均60パーセント取れるというのは覚えておいてほしいポイントです。50対50で妥協する必要はありません。
年齢によっても使える制度が違うんでしたよね。30歳以下ならTGCA、35歳以下ならゲームクリエイター助成、それ以上でも創風や文化庁がある。
素晴らしいまとめです。海外VCの関心も高まっているので、グローバルな視点で資金調達を考えることも大切です。創風やiGiのような支援プログラムをぜひ活用してください。
今日は日本のインディーゲーム資金調達について、とても勉強になりました。リスナーの皆さんはどの制度に興味がありますか?ぜひ感想を教えてくださいね。
それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。
さようなら!