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Episode 63

インディーGaaSの落とし穴:70%が失敗する理由と成功の条件

12分 7チャプター 日本語
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スクリプト

Chapter 1

オープニング

タカシ

皆さんこんにちは、ゲーム開発者のためのポッドキャストへようこそ。今日は非常に重要なテーマ、インディースタジオがGaaS、つまりライブサービス型ゲームを運営する際の失敗事例を深掘りします。

ミカ

タカシさん、こんにちは。GaaSって最近よく聞きますよね。Fortniteとか、原神とか。インディーでもやってみたいっていう開発者さん多そうです。

タカシ

実は、ここが今日のポイントなんですが、インディースタジオがGaaSモデルを採用した場合、なんと70パーセント以上が商業的失敗に終わるんです。

ミカ

70パーセント!ほとんど失敗してるじゃないですか。それって普通のインディーゲームより厳しいんですか?

タカシ

さらに厳しいのが、成功するインディーGaaSは全体の1パーセント未満だということです。しかも平均サービス期間は6ヶ月から2年未満。つまり、ほとんどのゲームが長く続けられないんです。

Chapter 2

具体的な失敗事例

タカシ

では、具体的な失敗事例を見ていきましょう。まず、Spellbreakというゲームをご存知ですか?魔法で戦うバトルロワイヤルです。

ミカ

なんとなく聞いたことあります。確かサービス終了したんですよね?

タカシ

驚くべきことに、このゲームは2000万ドル、日本円で約30億円もの資金調達を受けていたんです。ローンチ3週間で500万人がプレイしました。

ミカ

30億円!500万人!それだけあって失敗したんですか?信じられない。

タカシ

開発者自身が「世界最大のゲームと競争する道を選んでしまった」と認めています。FortniteやApex Legendsと同じバトロワ市場に参入したんですね。

ミカ

なるほど。じゃあ、お金があっても飽和した市場では勝てないってことですね。

タカシ

もっと短命だった例もあります。Disintegrationというゲームは、Haloの共同クリエイターが作ったにもかかわらず、マルチプレイヤーはたった5ヶ月で終了しました。

ミカ

5ヶ月!Haloの人が作っても?何がダメだったんですか?

タカシ

50ドルという価格設定が問題でした。無料で遊べる競合ゲームと比較されて不利になった。しかもローンチ日がThe Last of Us 2の3日前という最悪のタイミングでした。

Chapter 3

失敗パターンの類型化

ミカ

色々な失敗事例がありますけど、共通点みたいなものはあるんですか?

タカシ

実は、失敗パターンは大きく4つに分類できます。まず第一が「市場飽和・競合敗北型」。バトロワやFPSなど、すでに大手が支配している市場に参入するパターンです。

ミカ

FortniteやApexがいるところに突っ込んでいくってことですね。それは確かに厳しそう。

タカシ

第二が「リソース枯渇型」。ライブサービスを維持するには継続的な投資が必要なんですが、資金が尽きてしまうパターンです。Giganticというゲームは開発中に「資金が尽きた」と75人の従業員に通告されました。

ミカ

それは辛いですね。従業員の方々も大変だったでしょう。

タカシ

第三が「プレイヤーリテンション失敗型」。Knockout Cityというゲームは累計1200万人がプレイしたんですが、継続率が低くて終了しました。

ミカ

1200万人いても失敗するんですか?人数だけじゃダメなんですね。

タカシ

開発者は「小規模インディーとして、ライブサービスを継続しながら大規模な変更を行う帯域幅がない」と語っています。成功すればするほど運営負担が増える矛盾があるんです。

Chapter 4

インディーがGaaSで不利な理由

ミカ

そもそも、なぜインディースタジオはGaaSで不利なんですか?具体的に教えてください。

タカシ

数字で見ると明確です。大手はアップデートを週1回以上出せますが、インディーは月1回程度が限界。マーケティング予算も大手の1000分の1程度しかありません。

ミカ

1000分の1!それは競争にならないですね。サーバー代とかもかかりますよね?

タカシ

サーバーコストは規模によって変わります。同時接続5000人以上で月に15万円から50万円以上。DDoS対策も入れると更に5万から20万円かかります。

ミカ

毎月それだけかかるのは大変ですね。人件費も別にかかるわけですし。

タカシ

そうなんです。10人から50人規模のスタジオがLiveOpsを維持するには、最低3人から5人をポストローンチ専任にする必要があります。チームの3分の1近くですよ。

ミカ

それって新しいゲーム作る余裕がなくなりそうですね。

タカシ

まさにその通りです。「ゲームが成功すればするほど、より多くのLiveOpsが必要になり、小規模スタジオは急速に圧倒される」という悪循環に陥るんです。

Chapter 5

成功した例外事例

ミカ

じゃあ、インディーでGaaS的なことに成功した例ってあるんですか?

タカシ

面白いことに、成功例はあるんですが、純粋なGaaSモデルではないんです。代表例がAmong Us。チームはたった3人でした。

ミカ

Among Us!あれすごく流行りましたよね。でも3人で作ってたんですか?

タカシ

2018年にローンチして、2020年のコロナ期間中に爆発的に流行りました。最大月間アクティブユーザーがなんと5億人。累計収益は1億500万ドル以上です。

ミカ

5億人って日本の人口の4倍じゃないですか!なぜそこまで成功したんですか?

タカシ

成功の鍵は「極めて低い運営コスト」です。シンプルなゲーム設計で軽量サーバー。マーケティング費用はほぼゼロで、配信者の口コミだけで広がりました。

ミカ

なるほど。配信映えするゲームだったから、勝手に広まったんですね。

タカシ

Deep Rock GalacticやValheimも同様です。共通点は、純粋なGaaSではなく買い切りか低課金設計で、運営コストを最小化している点です。

Chapter 6

GaaSを検討すべき条件

ミカ

じゃあ、インディーはGaaSをやらない方がいいってことですか?

タカシ

必ずしもそうではありません。ただし、条件があります。まず、チーム規模が30人未満なら避けた方がいい。週次アップデートを維持できるリソースも必要です。

ミカ

30人って結構大きいチームですよね。他に条件はありますか?

タカシ

サーバーコストを12ヶ月以上賄える資金があること。そして何より、ジャンル創出レベルの明確な差別化が必要です。既存ゲームの改善版では戦えません。

ミカ

GaaSじゃない代わりの戦略ってあるんですか?

タカシ

いい質問ですね。おすすめは「買い切り + 定期DLC」モデル。ValheimやHadesがこれで成功しています。GaaSのコンテンツ更新モデルを買い切りで実現するんです。

ミカ

継続収入を狙いつつ、運営の負担は軽くするってことですね。

タカシ

その通りです。もう一つは、常時運営ではなくシーズン限定やイベント的な運営。Among Usがまさにこれです。必要な時だけアップデートする形ですね。

Chapter 7

クロージング

タカシ

さて、今日のポイントをまとめましょう。インディーGaaSの成功率は1パーセント未満で、70パーセント以上が商業的失敗に終わります。

ミカ

失敗パターンは市場飽和、リソース枯渇、リテンション失敗、設計変更の4つでしたね。

タカシ

そうです。ただし、Among UsやValheimのように「純粋なGaaSではない」形で成功する道はあります。低運営コスト設計、ストリーミング適性、独自のニッチ確立がキーです。

ミカ

GaaSに夢を見る前に、まず自分たちのリソースと市場を冷静に分析することが大事ですね。

タカシ

まさにその通りです。潤沢な資金があっても失敗するケースがあることを忘れないでください。戦略が間違っていれば、お金では解決できないんです。

ミカ

今日はインディーGaaSの厳しい現実と、それでも成功するための条件について学びました。リスナーの皆さんも参考にしてくださいね。

タカシ

それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。

ミカ

さようなら!