スクリプト
Chapter 1 オープニング
皆さんこんにちは、ゲーム開発者のためのマーケティングポッドキャストへようこそ。今日は、世界のゲーム市場を地域別に分析していきます。インディー開発者として、どの地域を狙うべきか、その判断材料をお届けします。
タカシさん、こんにちは。ゲーム市場って国によってかなり違うんですよね?
そうなんです。実は、プラットフォームの比率も、ユーザーの支払い意欲も、人気ジャンルも、地域によって全く異なります。今日はその違いを理解して、戦略に活かせるようにしましょう。
Chapter 2 世界市場の全体像
まず、世界のゲーム市場の全体像を見ていきましょう。2024年の市場規模は、地域別でどうなっているでしょうか。
やっぱりアメリカが一番大きいんですか?
意外かもしれませんが、最大はアジア太平洋地域で、約881億ドル、世界シェアの49パーセントを占めています。北米は506億ドルで27パーセント、欧州が320億ドルで17パーセントです。
アジアが半分近くを占めてるんですね。驚きました。
しかも、全ゲームプレイヤーの53パーセントがアジア太平洋地域に住んでいるんです。人口規模がやはり違いますね。
Chapter 3 中国市場:世界最大の単一市場
アジアの中でも特に注目すべきは中国です。498億ドルで、単一国としては世界最大のゲーム市場なんです。
498億ドル!アメリカより大きいんですか?
そうです。ただし、プラットフォームの構成が全く違います。中国ではモバイルが約75パーセントを占めています。テンセントやネットイースといった巨大企業が市場を支配しています。
インディー開発者が中国に参入するのは難しいんですか?
正規の参入には「版号」というライセンスが必要で、外国企業は直接取得できません。ただし、Steam国際版は規制対象外なので、多くのインディーはこのルートで成功しています。
版号って何ですか?
中国でゲームを正式に配信するために必要なライセンスです。2024年は1,416本が承認されましたが、外国ゲームはわずか110本でした。ハードルは非常に高いです。
じゃあ、版号なしでSteam経由で売るのが現実的ってことですね。
その通りです。実際、Slay the Spireは売上の43パーセント、It Takes Twoは約50パーセントが中国からでした。版号なしでも大成功できるんです。
Chapter 4 東南アジア:急成長する新興市場
次に注目すべきは東南アジアです。市場規模は約54から66億ドルですが、成長率が魅力的です。
東南アジアって、インドネシアとかタイとかですよね?
そうです。特にインドネシアは注目で、2025年第1四半期のモバイルダウンロード数が8.7億で、獲得コストが世界最低水準の0.1ドル以下なんです。
0.1ドル以下ってすごく安いですね。どう活用するのがいいんですか?
バイラル性や成長曲線のテストに最適です。まずインドネシアで検証して、その後タイで収益化するという2段階戦略が推奨されています。タイはARPU、つまりユーザー当たり収益が高いんです。
ローカライズは必要なんですか?
重要なポイントですね。東南アジアのゲーマーの87パーセントが何らかのローカライズを望んでいます。特にタイとベトナムは91パーセント以上がローカライズを重視しています。
シンガポールやフィリピンは英語で大丈夫なんですか?
はい、シンガポール、マレーシア、フィリピンは英語圏なので、英語版でカバー可能です。優先順位としては、タイ語、インドネシア語、ベトナム語の順で対応するのがおすすめです。
Chapter 5 中東:世界最速成長の市場
ここが面白いんですが、世界で最も急成長しているのは中東・北アフリカ、いわゆるMENA地域なんです。
中東ってゲーム市場が大きいんですか?意外ですね。
2024年で45から74億ドル、2029年には220億ドルを超える予測です。成長率は年9から13パーセント。特にサウジアラビアは380億ドルのゲーム投資ロードマップを発表しています。
380億ドル!国を挙げての投資なんですね。
驚くべきことに、サウジアラビアのARPPU、つまり課金ユーザー当たり収益は270ドルで世界最高なんです。高額課金者の密度が非常に高い市場です。
参入には何が必要ですか?
アラビア語ローカライズが重要です。ただし、アラビア語は右から左に書くので、UI全体の再設計が必要になる場合があります。また、宗教や文化への配慮も必須です。
文化的な配慮って具体的にはどういうことですか?
例えば、豚肉、飲酒、賭博、性的表現は避ける必要があります。また、アラブ人をテロリストとして描くステレオタイプは絶対に避けてください。逆に、ラマダン期間のイベント企画は効果的です。
Chapter 6 北米市場:コンソールの中心地
北米に目を向けましょう。約506億ドルの市場で、その74パーセントを米国が占めています。
アジアと違ってコンソールが強いんですよね?
その通りです。PlayStationとXboxが二強で、Switchも人気です。特徴的なのはサブスクリプションサービスの普及ですね。Xbox Game PassやPlayStation Plusが定着しています。
インディーにとってはサブスク入りを狙った方がいいんですか?
一つの選択肢ですね。サブスク入りすると露出が増えますが、直接販売との兼ね合いもあります。また、TwitchやYouTubeでのストリーミング文化が強いので、配信映えするゲームは有利です。
Chapter 7 日本市場:世界最高の収益効率
最後に日本市場です。実は、インディー開発者にとって非常に魅力的な市場なんです。
日本ってモバイルゲームが強いイメージがありますけど、どうなんですか?
正解です。市場規模166億ドルのうち、69パーセントがモバイルです。ただし、ここが重要なんですが、プレイヤー当たりの年間支出が807ドルで、アジア太平洋平均の5倍以上なんです。
5倍以上!日本のユーザーはそんなに課金するんですか?
70パーセント以上のプレイヤーが課金経験ありというデータもあります。世界のプレイヤー人口の2.2パーセントが、収益の9.1パーセントを生んでいる。収益効率が突出しているんです。
価格設定はどうすればいいんですか?
日本発の成功事例を見ると、8番出口が470円で200万本、NEEDY GIRL OVERDOSEが1,680円で300万本です。小規模なら470円から710円、中規模なら1,480円から1,980円が推奨されています。
円安の影響はありますか?
2026年の予測は145円から160円のレンジです。円安が続けば、日本発タイトルは海外で価格競争力が上がります。逆に、海外から見て日本市場は「最安地域の一つ」になっています。
Chapter 8 クロージング
さて、今日のポイントをまとめましょう。世界のゲーム市場は地域によって全く特性が違います。中国は最大だけど規制があり、東南アジアは成長率と低コストが魅力です。
中東は高額課金者が多くて、日本は収益効率が世界一ということでしたね。
そうです。どの地域を狙うかは、自分のゲームの特性や開発リソースによって判断してください。ローカライズの優先順位を決めるときの参考にしてもらえれば嬉しいです。
今日は世界のゲーム市場について、とても勉強になりました。リスナーの皆さんはどの地域に興味がありますか?ぜひ感想を教えてくださいね。
それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。
さようなら!