スクリプト
Chapter 1 オープニング
皆さんこんにちは、インディーゲーム開発者のためのリサーチポッドキャストへようこそ。今日は2025年のVR市場の確定データをお届けします。予測ではなく、実際に起きたことをデータで見ていきましょう。
タカシさん、こんにちは。VR市場って、ここ数年盛り上がったり冷めたりしてますよね。2025年は実際どうだったんですか?
率直に言うと、厳しい1年でした。VRヘッドセットの販売台数は前年比マイナス17パーセントからマイナス43パーセントと、大きく縮小しています。
えっ、そんなに減ったんですか?MetaのQuestとか結構売れてるイメージでしたけど。
そうなんです。ただ、ここが面白いところなんですが、AR・VRヘッドセットとスマートグラスを合計するとプラス39パーセント成長しているんです。つまり、市場はVRからMRやARにシフトしているんですね。
Chapter 2 メーカー別市場動向
では、メーカー別に見ていきましょう。まずMeta Questですが、市場シェアは依然として50パーセントから60パーセントを維持しています。
過半数を取ってるんですね。でも販売台数は減ってるんですよね?
はい、Quest 3の販売は四半期ごとに減少傾向でした。Q1が28万台、Q2が21.5万台、Q3が22.6万台という感じです。ただし、低価格のQuest 3Sがブラックフライデーで単日8万台超を記録しています。
安いモデルの方が売れてるってことですか。Apple Vision Proはどうなんでしょう?
これが驚くべき話なんですが、Apple Vision Proの2025年通年販売は推定8万から9万台なんです。2024年の37万から42万台から大幅減少しました。
えっ、Appleのあの高級機がそんなに売れてないんですか?
しかも、Appleは広告費を95パーセント削減しています。事実上のマーケティング停止状態ですね。3500ドルという価格がやはりネックになっているようです。
PlayStation VR2はどうですか?発売当初は期待されてましたよね。
PSVR2は興味深いデータがあります。価格を549ドルから399ドル、さらにプロモーションで350ドルまで下げたところ、24時間で販売がなんとプラス2350パーセント増加しました。
2350パーセント!それはすごい数字ですね。価格が下がれば需要はあるってことですか?
そうですね、価格弾力性が非常に高いことがわかりました。ただし、累計出荷は200万台超にとどまっていて、PS5の普及台数と比べるとまだまだ少ないです。
Chapter 3 Quest Storeの収益データ
さて、ここからがインディー開発者にとって重要な話です。Meta Quest Storeの累計収益は2025年3月時点で約29億ドルに達しています。
29億ドル、約4000億円以上ですね。それは大きな市場に聞こえますけど。
累計で見ると大きいですが、これは2019年からの合計です。年間の成長率は前年比プラス12パーセントで、エコシステム自体は成長を続けています。
じゃあ、ゲームが売れる市場ではあるんですね?
ここが厳しい現実なんですが、2024年に新規リリースされた有料VRタイトルで10万本以上売れたのは、わずか4本しかないんです。650本以上リリースされた中でたった4本です。
650本中4本...それって成功率0.6パーセントくらいですよね?
その通りです。さらに、Steamの2025年最もプレイされたVRゲームトップ50のうち、2025年発売タイトルはわずか1本だけ。既存の人気タイトルがランキングを独占しています。
新規参入がかなり難しい市場になってるんですね。
Chapter 4 成功パターンの分析
では、この厳しい市場で成功している例を見てみましょう。2025年で唯一トップ20に入った新作有料タイトルが「Hard Bullet」です。
Hard Bulletって、どんなゲームなんですか?
VRアクションシューターですね。推定収益は500万から700万ドル程度と見られています。ただし、これは例外中の例外です。
無料ゲームはどうなんでしょう?
実は、最も成功しているのは「Gorilla Tag」というF2Pソーシャルゲームなんです。これは最も収益性の高いMRタイトルの一つになっています。
F2Pって基本無料のゲームですよね。有料より無料の方が成功しやすいんですか?
そうですね。VR市場では、F2Pでソーシャル要素があり、MR対応しているゲームが成功パターンとして確立されています。逆に、パズルやプラットフォーマー、ストーリー駆動型は需要が低いんです。
なるほど、ジャンルの選択がかなり重要なんですね。
Chapter 5 2025年の主要トレンド
2025年の大きなトレンドとして、AR・AIグラスの台頭があります。Ray-Ban Metaは前年比3倍の販売増を記録しました。
Ray-Banのスマートグラスですね。あれってゲームできるんですか?
本格的なVRゲームはできませんが、ARとAIの組み合わせで新しい体験を提供しています。投資家の関心も「VRからAR・AI」へシフトしているんです。
プラットフォーム側の変化はあったんですか?
2025年8月に、MetaはApp LabをHorizon Storeに統合しました。これでインディータイトルのディスカバラビリティが向上しています。
App Labって何でしたっけ?
以前は、公式ストアに載らないインディータイトルがApp Labという別の場所にあったんです。これが統合されて、見つけやすくなりました。
それは朗報ですね。他には何かありますか?
Horizon Plus Indie Catalogという新しいプログラムもあります。月収50ドルから3500ドル程度のゲームがサブスクリプションに参加できる仕組みです。
Chapter 6 インディー開発者への推奨
で、結局インディー開発者としてはどう判断すればいいんでしょう?VR参入はやめた方がいいですか?
基本的には「新規参入非推奨」という判断は2025年のデータでも支持されます。ただし、いくつかの例外ケースがあります。
どんな場合なら検討の余地があるんですか?
3つあります。1つ目はF2P×ソーシャル×MR対応、Gorilla Tag系のパターン。2つ目はシムやスポーツジャンル、競争は激しいですが需要は安定しています。3つ目はHorizon Plus Indie Catalog活用です。
逆に、絶対やめた方がいいケースは?
有料VR専用タイトルは成功率0.6パーセントです。PSVR2専用開発も、ソフトウェア支援が限定的なので厳しい。PC VR専用も市場規模が極めて小さいです。
パズルやストーリー系のVRゲームを作りたい人もいると思いますけど。
残念ながら、パズル、プラットフォーマー、ストーリー駆動型はジャンル需要が低いです。シム、スポーツ、シューター、ソーシャル以外では数千本が上限と考えた方がいいでしょう。
Chapter 7 クロージング
今日のまとめです。2025年のVRヘッドセット市場は予測通り縮小しました。ただし、Quest Store収益は成長継続で、エコシステム自体は生きています。
新規参入の成功率0.6パーセントというのは衝撃的でしたね。
ただし、2026年にはSamsungのMoohanやValveのSteam Frameなど、新しいハードウェアが予定されています。市場が変わる可能性もあるので、様子見という判断も賢明です。
VRに興味がある開発者さんは、今は情報収集に徹して、2026年後半の動きを見てから判断するのがよさそうですね。
その通りです。VRは魅力的な技術ですが、ビジネスとして成功させるにはタイミングとジャンル選択が重要です。焦らず市場を見極めてください。
今日はVR市場の2025年確定データについて詳しく教えていただきました。リスナーの皆さん、参考になりましたでしょうか?
それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。
さようなら!