スクリプト
Chapter 1 オープニング
皆さんこんにちは、インディーゲーム開発者のためのマーケティングポッドキャストへようこそ。今日は2025年のインディーゲーム市場を徹底分析します。
タカシさん、こんにちは。2025年のインディーゲーム、すごく盛り上がってたイメージがあるんですけど、実際どうだったんですか?
実は、驚くべき数字がありまして。2025年のSteam年間総収益は17.7億ドル、過去最高を記録したんです。そのうちインディーが約25パーセント、4.5億ドルを占めています。
4.5億ドル!日本円でいうと...700億円以上ですか。インディーだけでそんなに売れてるんですね。
しかも面白いのは、2025年に最も話題になったトレンドが「Friendslop」と呼ばれる新ジャンルなんです。今日はこれを中心にお話ししていきましょう。
Chapter 2 Friendslopとは何か
「Friendslop」って初めて聞きました。どんなジャンルなんですか?
簡単に言うと、友達と一緒にカオスな体験を楽しむゲームですね。ソーシャルファーストで協力プレイ優先、スラップスティックな物理演算、配信映えを重視した低価格ゲーム、という特徴があります。
配信映えというのがポイントなんですね。TwitchとかYouTubeで見ていて楽しい系の。
その通りです。代表作を挙げると、R.E.P.O.、PEAK、Content Warning、RV There Yetなどがあります。これらが2025年のSteam売上トップを席巻したんです。
R.E.P.O.って聞いたことあります。どれくらい売れたんですか?
驚くべきことに、R.E.P.O.は1690万本を販売して、収益は1.36億ドルです。日本円で約200億円。しかも価格はたった9.99ドル、1500円程度なんですよ。
えっ、1500円のゲームで200億円の売上?それはすごいですね。
Chapter 3 1人開発者の奇跡:Schedule I
さらに面白い事例があります。Schedule Iというゲームをご存知ですか?
Schedule I...名前は聞いたことあるような。どんなゲームですか?
ドラッグディーリングシミュレーターという、かなり攻めたテーマのゲームです。これがなんと770万本を販売して、収益は1.19億ドル。約180億円です。
180億円...それだけでもすごいですけど、開発チームはどれくらいの規模だったんですか?
ここが最も驚くべきポイントなんですが、なんと1人開発なんです。オーストラリアのTVGSという開発者が3年以上かけて一人で作ったゲームです。
1人で180億円!それはもう人生変わりますよね。
まさにそうですね。彼はGolden Joystick Awards 2025でBreakthrough Awardを受賞して、シドニーにオフィスを構え、2025年末までに4人体制に拡大したそうです。
成功の要因は何だったんでしょう?
TikTokでバイラルになったことと、Twitch配信との相性の良さ、そしてブラックユーモアのあるテーマですね。配信者がプレイして笑いが生まれる、そういうゲームだったんです。
Chapter 4 PEAKの驚異的なROI
他にも成功事例はありますか?
もう一つ衝撃的な事例があります。PEAKというゲームなんですが、これは開発費20万ドル未満、つまり3000万円以下で作られたんです。
3000万円以下って、ゲーム開発としてはかなり少ないですよね。
そうなんです。しかも開発期間はわずか数ヶ月。ゲームジャムから生まれたアイデアを製品化したものなんです。
ゲームジャムって、短期間でゲームを作るイベントですよね。そこから製品になったんですか。
はい。そしてこのPEAKが1100万本を販売しました。価格は7.99ドル、約1200円です。開発費3000万円以下で、推定8000万ドル以上、つまり120億円以上の収益を生み出したんです。
投資対効果がすごすぎますね。何百倍ですか、それ。
単純計算で400倍以上ですね。開発者たちも「バカンスに行くつもりでローンチボタンを押した」と言っていて、このヒットは全く予想していなかったそうです。
Chapter 5 Friendslop成功の共通パターン
これらの成功事例に共通するパターンってあるんでしょうか?
いい質問ですね。4つの共通点が見えてきます。まず1つ目は低価格帯。7.99ドルから20ドルが最適で、Friendslopの主流は10ドル未満です。
衝動買いしやすい価格帯ですね。
2つ目は配信映え。TwitchやTikTokでバイラルになることが成功の鍵です。面白い瞬間がクリップされて拡散される、そういう設計が重要です。
見ている人も楽しめて、自分でもやりたくなる、という流れですね。
3つ目は協力プレイ対応。2025年のトップ3、R.E.P.O.、Schedule I、PEAKは全て協力プレイができます。友達を誘うと購入が連鎖するんですね。
なるほど、1人が買うと友達も買うってことですね。マルチ効果がある。
そして4つ目は、意外かもしれませんが、小規模チームです。1人から3人の開発でも1億ドル超えの収益が可能だということが証明されました。
Chapter 6 市場全体の現実:収益の偏り
でも、全員がそんなに成功できるわけじゃないですよね。現実はどうなんでしょう?
とても重要な視点ですね。実は、インディーゲーム市場は極端に収益が偏っています。中央値収益は、なんと生涯で約1200ドル、18万円程度なんです。
18万円...それだけだと開発費も回収できないですよね。
そうなんです。さらに、10万ドル以上の収益を達成するゲームは5パーセント未満。トップ100タイトルが全体の80パーセントの収益を占めているんです。
上位0.5パーセントが収益の8割...それはかなり厳しい世界ですね。
ただし、年間12000本以上がSteamでリリースされる中で、Friendslopのような「勝てる領域」を見つけることが重要になってきます。
Chapter 7 ロングテール収益の重要性
発売日以降も売れ続けるっていう話、聞いたことがあるんですが。
ロングテール収益ですね。これは非常に重要な概念です。中央値で見ると、1年目の収益は初週の4倍になります。
4倍!じゃあ初週に5万ドル売れたら、1年後には20万ドルになってるってことですか?
中央値ではそうなりますね。良好なパフォーマンスだと5倍から6倍になることもあります。さらに、2年目以降も約50パーセントの継続収益が見込めます。
継続的にアップデートしていくことが大事なんですね。
その通りです。6ヶ月間のポストローンチ更新を計画しておくと、ロングテール収益が約25パーセント向上するというデータもあります。
極端な例ってありますか?すごく長く売れ続けたゲームとか。
例外的な事例ですが、Lethal Companyは年間収益が初週のなんと507倍になりました。バイラルと協力プレイ、配信映えが合わさった結果ですね。
Chapter 8 2026年の展望とアドバイス
じゃあ、これからインディーゲームを作ろうとしている人へのアドバイスはありますか?
Friendslopというジャンルで考えるなら、まだ参入チャンスはあります。市場はオリゴポリー化、つまり少数の勝者に収束する段階には達していません。
まだ遅くないってことですね。
ただし、単純なLethal Companyクローンは失敗リスクが高いです。差別化された新しいコアメカニクスや独自の世界観が必要です。
開発規模の目安はありますか?
PEAKの成功パターンを参考にすると、「Landfall Model」と呼ばれる手法があります。開発期間1から4ヶ月、開発費20万ドル未満、チーム規模2から4人です。
ゲームジャムからスタートして製品化する、というパターンですね。
そうです。損益分岐点が数千本で済むので、超低リスクで始められます。失敗してもダメージが小さく、当たれば大きいという、非常に効率的なモデルです。
Chapter 9 クロージング
さて、今日のポイントをまとめましょう。2025年のインディーゲーム市場は過去最高を記録し、Friendslopという新ジャンルが席巻しました。
R.E.P.O.、Schedule I、PEAKが示したように、低価格、配信映え、協力プレイが成功の鍵ですね。
その通りです。そして重要なのは、1人開発者でも1億ドルを超える収益を上げられる可能性があるということ。夢がありますよね。
ただし中央値は18万円という現実も忘れずに、ですね。
はい、リスクを理解した上で、差別化されたアイデアで勝負することが大切です。皆さんもぜひ、このデータを参考にして戦略を考えてみてください。
今日は2025年のインディー市場とFriendslopについて、とても勉強になりました。リスナーの皆さんはどう思いましたか?
それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。
さようなら!