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Episode 32

Steam以外のPCプラットフォーム完全ガイド:Epic、GOG、itch.ioの収益戦略

12分 8チャプター 日本語
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スクリプト

Chapter 1

オープニング

タカシ

皆さんこんにちは、インディーゲーム開発者のためのポッドキャストへようこそ。今日のテーマは「Steam以外のPCプラットフォーム」です。

ミカ

タカシさん、こんにちは。Steamがメインだとは聞きますけど、他のプラットフォームって実際どうなんですか?

タカシ

実は、ここが今日の重要なポイントなんですが、PC市場におけるSteamのシェアは約90パーセントと圧倒的なんです。でも残りの10パーセントにも戦略的な価値があるんですよ。

ミカ

90パーセントですか。じゃあ、他のプラットフォームって意味あるんですか?

タカシ

それがあるんです。状況によってはSteamより有利な条件で販売できたり、リスクを軽減できたりします。今日はその具体的な戦略をお伝えしますね。

Chapter 2

収益分配の基本

タカシ

まず、各プラットフォームの収益分配率を比較してみましょう。Steamは開発者70から80パーセント、プラットフォームが20から30パーセントです。

ミカ

70から80パーセントって幅がありますね。何で変わるんですか?

タカシ

売上に応じて変わります。1000万ドル以上で75パーセント、5000万ドル以上で80パーセントになります。つまり大ヒットしないと基本は70パーセントですね。

ミカ

なるほど。他のプラットフォームはどうですか?

タカシ

驚くべきことに、Epic Games Storeは開発者88パーセントが基本です。さらに特定条件で100パーセント、つまり手数料ゼロになるプログラムもあるんですよ。

ミカ

100パーセントって、全部開発者に入るってことですか?それはすごいですね。

Chapter 3

Epic Games Storeの戦略

タカシ

Epic Games Storeの戦略を詳しく見ていきましょう。まず独占契約というオプションがあります。

ミカ

独占契約って何ですか?SteamでCPS出さないってことですか?

タカシ

そうです。通常12ヶ月間、Epic以外のプラットフォームで販売しない代わりに、最低保証額という形でEpicが前払いしてくれるんです。

ミカ

前払いってことは、売れなくてもお金がもらえるんですか?

タカシ

その通りです。例えば、ゲームのControlは1045万ドル、Metro Exodusは3700万ドルの最低保証を受けています。

ミカ

3700万ドル!すごい金額ですね。でも何かデメリットはないんですか?

タカシ

ここが面白いんですが、実はMetro Exodusは保証額の3分の1も回収できず、Epicに2200万ドル以上の損失を与えたんです。Tim Sweeney CEOも「多くの独占契約は良い投資ではなかった」と認めています。

ミカ

えっ、じゃあ開発者にとっては良い話だけど、Epicは損してるってことですか?

タカシ

大型タイトルの場合はそうですね。ただし小規模インディーの場合、保証額は10万から50万ドル程度で、しかもほとんどのゲームが保証額を上回る売上を達成できていないんです。

ミカ

なるほど、規模によって状況が違うんですね。

Chapter 4

Epicの新プログラム

タカシ

さて、2023年からEpicは「First Run」という新しいプログラムを始めました。これがインディーにとって注目なんです。

ミカ

First Runって何ですか?

タカシ

6ヶ月間Epic独占で販売すると、最初の6ヶ月は収益の100パーセントが開発者に入り、それ以降は88パーセントになるプログラムです。

ミカ

最初の半年は手数料ゼロってことですか?それは魅力的ですね。

タカシ

さらに2024年からは、Unreal Engine使用かつEpic独占のタイトルに対して、年間100万ドルまで収益分配0パーセントというプログラムも始まりました。

ミカ

Unreal Engine使ってる開発者には特にお得なんですね。

タカシ

ただし注意点があります。Epic Games Storeの市場シェアは約3パーセントで、両プラットフォームで同時展開した場合、EGS売上はSteam売上の3から5パーセント程度という報告もあります。

Chapter 5

GOGとDRM-free戦略

タカシ

次はGOG、Good Old Gamesについてお話ししましょう。CD Projektが運営しているプラットフォームです。

ミカ

CD Projektって、ウィッチャーやサイバーパンクを作った会社ですよね?

タカシ

その通りです。GOGの最大の特徴は全てのゲームがDRM-free、つまりコピー防止なしで販売されている点です。

ミカ

DRM-freeって、コピーし放題ってことですか?開発者は大丈夫なんですか?

タカシ

実は、DRM-freeを好むユーザーコミュニティが存在するんです。彼らは購入したゲームを自由に所有したいという価値観を持っていて、そのためにGOGを選んで購入してくれます。

ミカ

なるほど、考え方の違いなんですね。収益分配はどうですか?

タカシ

GOGは70/30でSteamと同じです。ただ、前払いプログラムというオプションがあり、前払いを受ける場合は回収まで60/40になります。

ミカ

GOGでの売上ってSteamと比べてどれくらいですか?

タカシ

一般的にSteam売上の5から10パーセント程度と言われています。特にクラシックゲームやレトロ風ゲーム、CRPGなどはGOGユーザーとの相性が良いですね。

Chapter 6

itch.ioの可能性

タカシ

さて、最も自由度が高いプラットフォームがitch.ioです。2013年設立で、現在100万以上の作品が公開されています。

ミカ

100万作品ってすごいですね。でも聞いたことない名前のゲームが多そう。

タカシ

実は89パーセントが無料ゲームなんです。でもここが面白いのは、収益分配率を開発者が自分で決められるんですよ。デフォルトは90/10で、なんと0パーセントに設定することも可能です。

ミカ

自分で手数料を決められるんですか?それは珍しいですね。

タカシ

さらに「Pay-What-You-Want」という仕組みがあって、購入金額の30パーセントが最低価格を超える額として支払われています。無料ゲームへの寄付平均は3.68ドルなんです。

ミカ

無料なのに3.68ドル払ってくれるんですか。優しいユーザーが多いんですね。

タカシ

意外なことに、itch.ioから始まってSteamで大成功したゲームも多いんです。CelesteやUndertaleは、itch.ioでプロトタイプやデモを公開してからSteamで大ヒットしました。

ミカ

Undertaleもitch.io出身なんですか!それは知りませんでした。

タカシ

itch.ioはプロトタイプ公開やゲームジャム参加、市場反応のテストに最適なプラットフォームです。ただし、主要収益源としては期待しない方がいいですね。

Chapter 7

Humble Bundleの活用

タカシ

最後にHumble Bundleについてお話ししましょう。これは収益分配の仕組みがユニークで、開発者65パーセント、チャリティ20パーセント、Humble15パーセントがデフォルトです。

ミカ

チャリティに20パーセント行くんですか?それは素敵ですね。

タカシ

そうなんです。ただ、バンドル参加時の単価はかなり低くなります。例えばMonacoは37万本売れて21万5000ドル、1本あたり約0.58ドルでした。

ミカ

0.58ドル?かなり安いですね。それでも参加するメリットってあるんですか?

タカシ

ここが重要なんですが、Humble購入者とSteam購入者は別のセグメントなんです。Monacoの開発者によると、バンドル参加中もSteam売上はほぼ横ばいを維持したそうです。

ミカ

カニバリゼーションが起きないってことですか?

タカシ

その通りです。開発者の言葉を借りると「これらはそうでなければ発生しなかった購入」なんです。発売から6から12ヶ月経った作品の追加収益化や、続編発売前の認知度向上に効果的ですね。

Chapter 8

総合戦略とまとめ

タカシ

では最後に、状況別の推奨戦略をまとめましょう。まず、資金不足でリスクを軽減したい場合は、Epic独占契約で最低保証を獲得し、1年後にSteam展開がおすすめです。

ミカ

なるほど、保証金で財務を安定させるわけですね。

タカシ

Unreal Engineを使っている場合は、EGS First Runの100パーセント収益プログラムを活用した後、Steam同時展開が効率的です。

ミカ

実験的な作品を作っている人はどうですか?

タカシ

実験的な作品は、まずitch.ioでプロトタイプを公開して反応を見てからSteam展開を検討するのがいいですね。CelesteやUndertaleもその流れでした。

ミカ

プラットフォームを展開する優先順位ってどうなりますか?

タカシ

基本的には、1番がSteam、2番がEpic Games Store、3番がGOG、4番がitch.ioでの開発初期テスト、5番がHumble Bundleでの長期収益化、という順番がおすすめです。

ミカ

今日はSteam以外のプラットフォームについて、とても詳しく学べました。状況に応じて使い分けることが大事なんですね。

タカシ

はい、Steamが圧倒的なのは事実ですが、それぞれのプラットフォームには戦略的な価値があります。皆さんのゲームと状況に合わせて、最適なプラットフォーム戦略を考えてみてください。

ミカ

リスナーの皆さん、今日の内容はいかがでしたか?ぜひ感想を教えてくださいね。

タカシ

それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。

ミカ

さようなら!