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Chapter 1 オープニング
皆さんこんにちは、インディーゲーム開発者のためのポッドキャストへようこそ。今日は、ゲームのローカライゼーションについて徹底的に掘り下げていきます。
タカシさん、こんにちは。ローカライゼーションって、ゲームを翻訳することですよね?どれくらい重要なんですか?
驚くべきことに、ローカライズ済みのゲームは、ローカライズしていないゲームの2.8倍の生涯収益を上げるというデータがあるんです。
2.8倍!それはすごいですね。でも、コストも結構かかりそう...
実は、ローカライズのコストは平均で開発費の1パーセント未満なんです。しかも6言語対応するだけで、Steamユーザーの85パーセントをカバーできます。
Chapter 2 言語別ROIランキング
では、どの言語にローカライズすべきか、ROIの観点から見ていきましょう。ここが今日のポイントなんですが、2024年以降、FIGSの時代は終わったんです。
FIGSって何ですか?聞いたことはあるんですけど。
フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語の頭文字です。従来はこの4言語が欧州展開の基本とされてきました。でも、今は違うんですよ。
じゃあ、今はどの言語が一番ROIが高いんですか?
第1位は簡体字中国語です。Steamで最大シェアの33.7パーセントを占めていて、2025年2月には中国ユーザーが50パーセントを超えました。
え、英語より多いんですか?それは驚きですね。
そうなんです。中国語ローカライズなしでは、中国プレイヤーの68から90パーセントを失うというデータもあります。収益増加率はプラス30パーセント以上。
第2位はどこですか?
日本語です。Steamシェアは2.7パーセントと少ないんですが、注目すべきはARPU、つまりユーザーあたりの収益が世界最高レベルで、グローバル平均の約3倍なんです。
ARPUって何ですか?
Average Revenue Per Userの略で、1ユーザーあたりの平均収益のことです。日本のゲーマーは数は少なくても、支出額が圧倒的に高いんですね。
第3位は?
意外かもしれませんが、ブラジルポルトガル語です。2023年のROI成長率が第1位で、収益増加率はプラス30パーセント。1億人以上のゲーマーがいる巨大市場なんです。
Chapter 3 具体的な成功事例
ここで、具体的な成功事例を見てみましょう。Defender's Questというゲームの話が非常に興味深いんです。
どんなゲームですか?
タワーディフェンスRPGなんですが、中国語を追加した後、たった1週間で生涯売上の45パーセントを獲得したんです。実質的に売上が倍増しました。
1週間で生涯売上の45パーセント!それはすごい効果ですね。
日本語を追加した効果も顕著でした。市場シェアが1.04パーセントから5.69パーセントへ、なんと5.47倍に増加したんです。
5倍以上!言語を追加しただけでそんなに変わるんですね。
Against The Stormという17言語対応のゲームは、アジア市場だけで総売上の32パーセント以上を占めています。中国、日本、韓国、台湾ですね。
逆に、ローカライズしなかった場合はどうなるんですか?
Nebulous: Fleet Commandというゲームは英語のみで、中国プレイヤーがわずか2パーセントでした。潜在顧客の68から90パーセントを逃している計算になります。
Chapter 4 ローカライズのコスト
効果はわかりました。でも、気になるのはコストですよね。実際どれくらいかかるんですか?
言語によって違います。例えばFIGS、フランス語やドイツ語などは1ワードあたり10から15セント。簡体字中国語は12から18セントです。
日本語はどうですか?
日本語は最も高くて、1ワードあたり20から25セントです。日本のユーザーは翻訳品質に非常に厳しいので、高品質が求められるんですね。
具体的な金額にするとどれくらいになりますか?
5万ワードのインディーゲームで計算すると、簡体字中国語が6000から9000ドル、日本語が1万から1万2500ドル、ブラジルポルトガル語が5000から7500ドルです。
思ったより安いかも。損益分岐点は?
15ドルのゲームなら、簡体字中国語は400から600本、日本語は670から835本で元が取れます。ROI期間は1から6ヶ月程度ですね。
Chapter 5 推奨優先順位と戦略
じゃあ、インディー開発者はどういう順番でローカライズすればいいんですか?
Day 1、つまり発売日には英語と簡体字中国語は必須です。可能であれば日本語も。この3言語でSteamの約70パーセントをカバーできます。
その次は?
収益が確保できたら、ドイツ語、ブラジルポルトガル語、ロシア語を追加します。ロシア語はSteamで第3位の8.2パーセントのシェアがあり、コスパが非常に良いんです。
日本のスタジオの場合は違うんですか?
日本スタジオは日本語がオリジナルなので、Day 1に英語と簡体字中国語を追加。その後、韓国語、繁体字中国語、そしてドイツ語とブラジルポルトガル語という流れがおすすめです。
Chapter 6 失敗を避けるポイント
ローカライズで失敗するケースもあるんですか?
ありますね。Wanba Warriorsというゲームは29言語に対応したんですが、売上増加がほとんどありませんでした。原因はマーケティング連携の不足です。
翻訳しただけじゃダメなんですね。
その通りです。各地域向けのマーケティングも必要なんです。また、低品質翻訳はレビュースコアを15パーセント低下させるリスクがあります。
AI翻訳だけで済ませるのは危険ですか?
危険ですね。機械翻訳にポストエディットを加える方法はコストを60から70パーセント削減できますが、必ず専門家のチェックが必要です。特に日本語は品質要求が厳しいです。
文化的な問題もあるんですか?
はい。例えば中国では骸骨やゾンビの表現が制限されています。色の意味も違って、赤は中国では幸運ですが西洋では危険を意味します。ネイティブチェックは必須ですね。
Chapter 7 クロージング
さて、今日のポイントをまとめましょう。ローカライズ済みゲームは2.8倍の収益で、コストは開発費の1パーセント未満。ROIは非常に高いです。
優先言語は簡体字中国語、日本語、ブラジルポルトガル語の順ですね。FIGSよりCJKとブラジルの時代。
その通りです。Defender's Questのように、ローカライズで売上が劇的に変わった事例は数多くあります。英語だけでは潜在収益の40から67パーセントを逃してしまいます。
ただし、翻訳だけじゃなくてマーケティング連携と品質管理も大事ってことですね。
はい。皆さんもゲームの収益を最大化するために、ぜひローカライゼーション戦略を検討してみてください。6言語でSteamの85パーセントをカバーできますから。
今日はローカライゼーションについて、とても勉強になりました。リスナーの皆さんは、どの言語から始めますか?ぜひ感想を教えてくださいね。
それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。
さようなら!