スクリプト
Chapter 1 オープニング
皆さんこんにちは、ゲーム開発者のためのポッドキャストへようこそ。今日は非常にエキサイティングなテーマ、インディーゲームのクロスメディア展開についてお話しします。
クロスメディア展開って、ゲームを映画化したりアニメ化したりすることですよね?最近よく聞くようになりましたね。
そうですね。実は今日お話しする中で、驚くべき数字があるんです。インディーゲームの映画化で、なんと興行収入50億円を超えた事例があるんですよ。
50億円!インディーゲームで?それは夢のような話ですね。どのゲームですか?
8番出口です。1人で開発されたゲームが、東宝配給で映画化されて51億5000万円以上の興行収入を記録しています。
Chapter 2 映画化成功事例:8番出口
では、8番出口の映画化について詳しく見ていきましょう。このゲーム、皆さんもご存知だと思いますが、異変を見つけて地下通路から脱出するシンプルなゲームです。
YouTuberさんとかVTuberさんがよくプレイしてましたよね。私も見てました。価格も470円とすごく安かったですよね。
そうなんです。470円のゲームが200万本以上売れて、さらに映画化。しかも二宮和也さん主演、川村元気監督という大きな布陣でした。
川村元気さんって、「君の名は。」のプロデューサーですよね!すごい人が関わってるんですね。
ここが面白いんですが、ゲーム発売が2023年11月で、映画公開が2025年8月。たった2年で映画化が実現しているんです。しかもカンヌ映画祭でも上映されました。
2年って早いですね。普通、映画化ってもっと時間かかるイメージがありました。
一般的には2年から5年かかると言われていますが、8番出口は配信者による認知度の高さと、シンプルで模倣困難なコンセプトが評価されたんでしょうね。
Chapter 3 海外の大成功事例:Five Nights at Freddy's
さて、海外に目を向けると、さらに桁違いの事例があります。Five Nights at Freddy's、通称FNAFです。
ファイブナイツ!あのホラーゲームですよね。怖いけど人気ありますよね。
そうです。これも1人開発なんですが、2023年の映画化で興行収入がなんと2億9700万ドル。日本円で約450億円です。
450億円!?8番出口の10倍近いじゃないですか!
さらに驚くのは製作費です。たった2000万ドル、約30億円で作られているんです。純利益は1億6100万ドル、約240億円と言われています。
低予算で大成功ってことですね。続編も作られてるんですか?
はい、2025年にFive Nights at Freddy's 2が公開されて、初週だけで6300万ドル、約95億円を記録しています。IPとして確立されているんですね。
Chapter 4 新たな流通モデル:Iron Lung
ここで、非常に革新的な事例を紹介したいと思います。Iron Lungという6ドルのインディーホラーゲームの映画化です。
6ドルのゲームも映画化されてるんですか?それは知らなかったです。
実は、この映画が革命的なのは流通方法なんです。Markiplierという3700万人の登録者を持つYouTuberが、配給会社を通さずに自主配給しているんです。
配給会社なしで?映画ってそういうことできるんですか?
それができたんです。AMC、Cinemark、Regalといった大手映画館チェーンで2500以上のスクリーンで上映されています。前売りチケットは数分で完売したそうです。
インフルエンサーの力ってすごいですね。従来の映画業界のルールを変えてるというか。
まさにそうなんです。初週で900万から1000万ドルの興行収入が予測されていて、一部では倍の予測もあります。インディーゲームの映画化における新しいモデルと言えますね。
Chapter 5 アニメ化の成功事例
映画の話が続きましたけど、アニメ化の事例もあるんですか?
もちろんあります。日本で注目なのは、NEEDY GIRL OVERDOSEのTVアニメ化ですね。2026年4月から放送予定です。
ニーディーガールオーバードーズ!あの「超てんちゃん」のゲームですよね。TikTokでバズってましたよね。
「INTERNET YAMERO」という曲がTikTokで7960万回再生されています。ゲームは300万本以上売れていて、制作はYostar Picturesが担当します。
Yostar Picturesって、アークナイツとかブルーアーカイブのアニメを作ってるところですよね。すごいスタジオですね。
海外ではCupheadのNetflixアニメシリーズが有名ですね。全36話、3シーズンも制作されて、2022年のNetflix Kids部門で世界第4位にランクインしています。
3シーズンも!Cupheadってあの独特な1930年代風のアートスタイルのゲームですよね。あのスタイルがアニメでも活きてるんですね。
Chapter 6 グッズ展開という選択肢
さて、映画やアニメは大きな話ですが、もっと身近なIP展開としてグッズがあります。これは多くのインディースタジオにとって現実的な選択肢です。
グッズって、Tシャツとかぬいぐるみとかですよね?自分で作るのは大変そう。
そこで重要なのがFangamerという会社です。UndertaleやHollow Knight、Hadesなど多くのインディーゲームのグッズを手がけていて、日本法人の年間収益は730万ドルと言われています。
へえ、グッズだけでそんなに?Undertaleのグッズとか確かに見たことあります。
Fangamerとの提携のメリットは、在庫管理や発送をすべて任せられることです。インディー開発者は高いロイヤリティ率が適用される傾向にあるとも言われています。
自分でやらなくていいのは助かりますね。ロイヤリティ率ってどれくらいなんですか?
ゲーム関係の一般的なロイヤリティ率は約5.4パーセント。超大型コンテンツだと8から10パーセントになることもあります。具体的な契約は個別交渉ですが、目安にはなりますね。
Chapter 7 映画化の収益構造と契約
ところで、映画化された場合、開発者にはどれくらいお金が入るんですか?興行収入50億円といっても、全部もらえるわけじゃないですよね。
いい質問ですね。実は日本では、原作使用料は200万円から400万円がボリュームゾーンと言われています。上限でも1000万円程度です。
えっ、50億円の興行収入があっても、200万円から400万円?それってかなり少なくないですか?
そうなんです。有名な例として、「テルマエ・ロマエ」の原作者が100万円しか受け取っていないという話があります。興行収入は数十億円だったにもかかわらずです。
それは厳しいですね。もっと良い契約の方法はないんですか?
ハイブリッドモデルが推奨されています。固定の原作使用料に加えて、興行収入の一定パーセント、一般的には2から5パーセントを成功報酬として受け取る契約ですね。
なるほど、最低保証プラス成功報酬ってことですね。それなら大ヒットした時にちゃんと恩恵を受けられますね。
Chapter 8 インディー開発者がIP展開を始めるには
さて、ここまで夢のある話をしてきましたが、現実的にインディー開発者がIP展開を始めるにはどうすればいいか、お話ししましょう。
そうですね、いきなり映画化は難しそうですし、最初の一歩が知りたいです。
まずはグッズ展開から始めることをおすすめします。FangamerやThe Yeteeといったパートナーにコンタクトを取って、最小リスクでIPの商品価値を検証できます。
グッズが売れれば、IPに価値があるって証明になりますもんね。
次に重要なのが、ファンコミュニティの構築とライセンス窓口の整備です。DiscordやSNSで直接ファンと交流し、二次創作のガイドラインも明確にしておきましょう。
ライセンス窓口って、具体的にはどういうことですか?
例えば公式サイトに連絡先メールを明示しておくことです。Steam売上10万本以上で映像化の打診が増えるというデータもあります。問い合わせが来た時にすぐ対応できるようにしておくことが大切です。
Chapter 9 クロージング
さて、今日のポイントをまとめましょう。インディーゲームのIP展開は、8番出口やFive Nights at Freddy'sのように、驚異的な成功を収める可能性があります。
50億円、450億円という数字は本当に夢がありますよね。でも、契約の仕方も重要だと分かりました。
そうですね。固定フィーだけでなく、成功報酬を含むハイブリッド契約を目指すこと。そして、まずはグッズ展開から始めてIPの価値を証明していくことが現実的な戦略です。
Iron Lungの自主配給みたいな新しいモデルも出てきてるのが面白かったです。インフルエンサーの力ってすごいですね。
配信者による認知度向上がIPの価値を高めるという点は、インディー開発者にとって追い風ですね。皆さんも、長期的なIP戦略を念頭に置いてゲーム開発を進めてみてください。
今日はインディーゲームのクロスメディア展開について、映画化からグッズまで幅広く学べました。リスナーの皆さんのゲームが映画化される日も、そう遠くないかもしれませんね。
それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。
さようなら!