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Episode 3

8番ライク完全解説:日本発の新興ホラーパズルジャンルの可能性

14分 9チャプター 日本語
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スクリプト

Chapter 1

オープニング

タカシ

皆さんこんにちは、インディーゲーム開発者のためのポッドキャストへようこそ。今日は、2023年末に登場して以来、大きな話題を呼んでいる新興ジャンル「8番ライク」について徹底解説します。

ミカ

タカシさん、8番ライクって最近よく聞きますけど、具体的にどういうジャンルなんですか?

タカシ

いい質問ですね。2023年11月にリリースされた『8番出口』というゲームから派生したジャンルです。プレイヤーはループする空間を歩きながら「異変」を探し、正しく判断して進むという、観察パズルとホラーを融合させたゲームプレイが特徴なんです。

ミカ

異変探しって、間違い探しみたいな感じですか?

タカシ

まさにそうです。3D空間での間違い探しといえばわかりやすいですね。ただし、ホラー的な雰囲気の中で行うので、独特の緊張感があります。実は、開発者のコタケクリエイト氏自身が「類似作品が増えてジャンル化するなら8番ライクと呼んでほしい」と表明しているんですよ。

Chapter 2

驚異的な市場規模

タカシ

さて、ここが驚くべきところなんですが、8番出口の売上について話しましょう。

ミカ

どれくらい売れたんですか?

タカシ

なんと、累計230万本を超えています。価格は470円という低価格帯なんですが、それでも驚異的な数字ですよね。さらに、2025年8月には実写映画も公開されて、興行収入51.5億円を記録しました。

ミカ

51億円ですか!それは2025年の映画ランキングで何位くらいなんですか?

タカシ

2025年の興行収入ランキングで第9位にランクインしています。インディーゲームから生まれた作品がここまでのメディアミックス展開を成功させたのは、本当に画期的なことですね。

ミカ

ゲームと映画の相乗効果もあったんですか?

タカシ

はい、映画公開前は200万本だった売上が、映画の相乗効果で230万本を突破しました。ゲームと映画、両方のファンが互いの作品に興味を持つという好循環が生まれたんです。

Chapter 3

8番ライクの定義とゲームプレイ

ミカ

改めて、8番ライクのゲームプレイについて詳しく教えてもらえますか?

タカシ

コアメカニクスは、観察、異変検出、そして判断のループです。プレイヤーは一人称視点で空間を歩き、何か変化がないかを注意深く観察します。異変を見つけたら引き返し、見つからなければ前に進む。これを繰り返してゴールを目指します。

ミカ

リミナルスペースっていう言葉も関係あるんですよね?

タカシ

お、よく知っていますね。リミナルスペースは「境界空間」と訳される概念で、廊下や待合室のような、どこにでもあるけれどもどこか不気味な空間のことです。The Backroomsというネットミームから広まった美学ですね。

ミカ

あー、なんとなく見たことある気がします。無機質な蛍光灯の通路とか。

タカシ

まさにそれです。8番出口の舞台も、日本の地下鉄通路がモデルになっています。誰もが見たことがあるような場所だからこそ、異変が起きたときの違和感が際立つんですね。

Chapter 4

サブジャンルと代表作

タカシ

実は8番ライクの中にも、いくつかのサブジャンルが生まれています。

ミカ

サブジャンルですか?どんなものがあるんでしょう?

タカシ

大きく4つあります。まず、オリジナルの8番出口のように自分で歩き回る「ウォーキング型」。次に、監視カメラの映像を切り替えて異変を報告する「監視カメラ型」。そして複数人で協力する「マルチプレイヤー型」、最後にアパートや室内を舞台にした「室内型」です。

ミカ

監視カメラ型って面白そうですね。どんなゲームがあるんですか?

タカシ

「I'm on Observation Duty」シリーズが代表的ですね。なんと8作目まで続いていて、最新作は評価97パーセントという圧倒的な高評価を獲得しています。

ミカ

マルチプレイヤー型で人気なのは?

タカシ

Hospital 666ですね。1から4人で協力して病院内の異変を探すゲームで、推定5万から10万本売れています。評価は72パーセントと控えめですが、マルチプレイの楽しさが支持されています。

Chapter 5

2025年の注目作品

タカシ

さて、ここからは2025年にリリースされた注目作品を見ていきましょう。面白い傾向が見えてきています。

ミカ

どんな傾向ですか?

タカシ

実は、差別化に成功した作品が次々と高評価を獲得しているんです。例えば「8ペン出口」という無料ゲームがあるんですが、これがなんと90パーセント好評を獲得しています。

ミカ

8ペン出口?それって何が違うんですか?

タカシ

ペンギンをテーマにしているんです。ホラーとユーモアの融合という新しいアプローチですね。31種類の異変があって、怖いだけじゃなく笑える要素も入っています。

ミカ

ペンギン(笑)。それは確かに目立ちますね。他にはどんな作品がありますか?

タカシ

「holo8」はホロライブとのコラボで、なんと76名のVTuberが登場します。100種類もの異変があって、ファンにはたまらない内容になっています。

ミカ

76名って、ほぼ全員じゃないですか。IPコラボは強いですね。

タカシ

あとは「異変踏切」も注目です。日本一有名な踏切を舞台にして、アクション要素を追加しています。こちらも90パーセント好評。日本のローカルな場所を舞台にするアプローチが人気なんですね。

Chapter 6

差別化の6つのパターン

ミカ

差別化が重要だということはわかりましたけど、具体的にどんな方法があるんですか?

タカシ

2025年の成功事例から、6つの差別化パターンが見えてきています。これは非常に参考になると思いますよ。

ミカ

ぜひ教えてください!

タカシ

まず1つ目がIPコラボ。holo8のようにVTuberや既存IPと組む方法。2つ目がユーモア融合。8ペン出口のようにホラーに笑いを加えるアプローチです。

ミカ

なるほど、コラボとユーモアですね。

タカシ

3つ目は日本ローカル特化。渋谷や有名な踏切など、実在の場所を舞台にする。4つ目はマルチプレイヤー対応。Hospital 666のように友達と遊べるようにする。

ミカ

あと2つは?

タカシ

5つ目がストーリー追加。Chilla's Artの新幹線0号のように考察要素を入れる。そして6つ目が脱出ゲーム要素。異変踏切のようにアイテム使用や逃走要素を追加するアプローチです。

ミカ

明確なテンプレートがあるんですね。これは開発者にとって心強いですね。

Chapter 7

インディー開発者にとっての可能性

タカシ

では、インディー開発者にとって8番ライクはどれくらい参入しやすいのか、具体的な数字で見ていきましょう。

ミカ

開発コストとか、期間とか気になります。

タカシ

開発コストと開発期間は5点満点中5点。つまり非常に低い、短いんです。個人開発で1から6ヶ月あれば制作可能です。UnityやUnreal Engineで作れますし、アセットを購入して組み合わせることもできます。

ミカ

それは確かに参入しやすそうですね。でも競争は激しくないですか?

タカシ

そこがポイントです。市場飽和度は5点中2点と低めで、類似作品は多いです。ただし、差別化の余地は4点と高い。先ほどの6つのパターンが確立されているので、参入しやすくなったとも言えます。

ミカ

価格設定はどれくらいが良いんですか?

タカシ

500円以下が推奨です。8番出口は470円、ジャンル全体でも3ドルから8ドルの価格帯が主流です。衝動買いしやすい価格設定が成功の鍵ですね。

Chapter 8

成功のポイントと避けるべきこと

ミカ

最後に、成功のためのポイントと、逆に避けるべきことを教えてください。

タカシ

成功のポイントは5つあります。まず、独自の異変アイデア。印象に残る、他にはない異変をデザインすること。次に、リミナルスペース的な雰囲気の統一感。

ミカ

雰囲気は大事ですよね。

タカシ

3つ目は適切な難易度曲線。最初は分かりやすく、徐々に難しくなるバランス。4つ目が配信者フレンドリー。YouTuberやVTuberがリアクションを取りやすい演出を入れること。そして5つ目がローカライゼーション。日本語、英語、中国語、韓国語は必須ですね。

ミカ

配信映えは確かに重要ですよね。じゃあ、避けるべきことは?

タカシ

絶対に避けてほしいのは、8番出口の単純なコピーです。舞台を変えただけの作品は低評価になります。あとは、異変の数だけを増やして質を落とすこと。量より質のアプローチ不足は失敗の原因になります。

ミカ

コピーではなく、オマージュしながら独自性を出すことが大切なんですね。

Chapter 9

クロージング

タカシ

さて、今日のポイントをまとめましょう。8番ライクは2023年に生まれた新興ジャンルで、オリジネーターの8番出口は230万本を超える大ヒット、映画も51.5億円の興行収入を記録しました。

ミカ

インディー開発者にとっても、低コスト・短期間で参入できる魅力的なジャンルということでしたね。

タカシ

そうです。6つの差別化パターンが確立されているので、自分の強みを活かした切り口を見つけやすくなっています。IPコラボ、ユーモア融合、日本ローカル特化、マルチプレイヤー、ストーリー追加、脱出ゲーム要素、どれかを選んで独自性を出してください。

ミカ

470円のゲームが230万本売れて、映画にもなる。夢がありますね!

タカシ

まさに。日本発のインディーゲームが世界で成功した好例ですね。皆さんもぜひ、自分だけの8番ライクにチャレンジしてみてください。

ミカ

今日は8番ライクについて詳しく教えていただきました。リスナーの皆さん、感想や質問があればぜひコメントで教えてくださいね。

タカシ

それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。

ミカ

さようなら!