スクリプト
Chapter 1 オープニング
皆さんこんにちは、ゲーム開発者のためのビジネスポッドキャストへようこそ。今日は、インディーゲーム開発者が最も悩むテーマの一つ、「価格設定」についてお話しします。
タカシさん、こんにちは。価格設定って、本当に難しいですよね。高すぎると売れないし、安すぎると損する気がして。
まさにその通りです。今日は日本市場とグローバル市場、それぞれの価格戦略の違いと、成功事例から学ぶ最適な価格帯を詳しく解説していきます。
データに基づいた話、楽しみです。
Chapter 2 グローバル市場の価格帯と成功率
まず、グローバル市場の全体像を見てみましょう。Steamの上位250作品を分析したデータがあるんですが、興味深い傾向が見えてきます。
上位250作品というと、かなり売れているゲームですね。どんな価格帯が多いんですか?
実は、40ドル以上の価格帯がなんと62パーセントを占めています。続いて30から40ドルが24.5パーセント、20から30ドルが19.2パーセントです。
えっ、40ドル以上が6割超え?インディーゲームってもっと安いイメージでした。
ここが面白いんですが、上位に入る作品は価格が高めなんです。ただし、これはAAAタイトルも含むデータです。インディーゲームのスイートスポットは7.99ドルから14.99ドル、日本円で約1,200円から2,250円と言われています。
なるほど。インディーなら2千円前後が良いということですね。
特に7.99ドルという価格帯は心理的に「最大ギャップ価格」と呼ばれていて、Content Warningというゲームはこの価格で500万本以上売れた実績があります。
Chapter 3 日本発インディーの成功価格事例
日本のインディーゲームはどうなんでしょう?海外とは違う傾向がありそうですけど。
いい質問ですね。日本発インディーには独自の成功パターンがあります。代表的な事例を3つ紹介しましょう。
まず、8番出口。価格は470円で、なんと200万本以上を売り上げています。低価格で大量販売するモデルの成功例です。
470円で200万本!ワンコイン以下なのに大成功ですね。
次に、違う冬のぼくら。710円で100万本以上売れています。そしてNEEDY GIRL OVERDOSE、こちらは1,680円で300万本以上です。
価格帯がバラバラですね。470円から1,680円まで。どれも成功してるのが面白いです。
そうなんです。日本では「ワンコイン以下」「千円以下」「2千円以下」という心理的な境界線があって、これを意識した価格設定が効果的なんですよ。
Chapter 4 日本円の端数処理と心理的価格
そういえば、さっきの価格、470円とか710円とか、ちょっと独特な数字ですよね。
いいところに気づきましたね。日本には独自の端数処理の慣行があります。470円、710円、980円、1,480円、1,680円、1,980円といった価格が一般的です。
確かに、よく見る数字ですね。コンビニとかでも。
欧米だと7.99ドルや9.99ドルのように「.99」で終わる価格が心理的に効果的ですが、日本では「80円」「480円」などキリの良い数字の少し下が効きます。
文化によって心理的に響く数字が違うんですね。
Chapter 5 セール戦略の日本vs欧米
さて、ここからはセール戦略についてお話ししましょう。実は、日本と欧米ではセールの効果が大きく異なります。
セール待ちって、結構多いイメージがありますけど。
意外なことに、日本では「セール待ち」傾向は妥当ではないという見解があります。ValveやカプコンのSteamチームの分析によるものです。
えっ、そうなんですか?日本人って待つイメージあったんですけど。
日本のユーザーは「欲しい時に購入」する傾向が強いんです。さらに興味深いのは、独自セールがSteamのシーズンセールより効果的だということ。
独自セールって、自分でタイミングを決めて行うセールですか?
その通りです。NEEDY GIRL OVERDOSEの事例では、独自セールで383,733本売れたのに対し、Steamシーズンセールでは260,269本でした。約1.5倍の差があります。
それはすごい差ですね。タイミングをコントロールできる方が有利ってことですか。
はい。あと、地域特化セールも効果的です。旧正月セールは中国で、お正月セールは日本で、それぞれ該当地域で大きな効果があります。
Chapter 6 プラットフォーム間の価格差
SteamだけじゃなくてSwitchとかPlayStationでも出す場合、価格って揃えた方がいいんですか?
いい質問ですね。実は、プラットフォーム間で価格が異なるケースは珍しくありません。SwitchとPlayStationで同じタイトルでもセール価格が違うことがあります。
へえ、ユーザーからすると比較して安い方で買いたくなりますね。
さらに地域差もあります。日本と北米で約3,000円の差がある事例も報告されています。円安や円高の影響も大きいですね。
為替の影響ってそんなにあるんですか?
2022年の円安時には、Steam推奨価格が数パーセントから20パーセントほど上昇しました。ただし、購買行動はあまり変わらなかったという報告もあります。
Chapter 7 価格戦略の結論と推奨
色々なデータを聞いてきましたが、結局どう価格設定すればいいんでしょう?
はい、明確な推奨があります。小規模インディーなら470円から710円。8番出口モデルですね。低価格で参入障壁を下げ、口コミを広げる戦略です。
ワンコインくらいで勝負するってことですね。
中規模インディーなら1,480円から1,980円。NEEDY GIRL OVERDOSEモデルです。ボリュームやクオリティに見合った価格で、利益率も確保できます。
ゲームの規模に合わせて価格帯を選ぶと。セール戦略はどうですか?
独自セールを活用しましょう。Steamシーズンセールより効果的です。そして地域特化セールも忘れずに。旧正月、お正月など、地域のイベントに合わせると効果が高いです。
Chapter 8 クロージング
さて、今日のポイントをまとめましょう。価格設定は地域と市場を理解することが大切です。
日本は「ワンコイン」「千円以下」「2千円以下」の境界線を意識すること、ですね。
そして、日本のユーザーは欲しい時に買う傾向があるので、セール待ちを前提としすぎない方がいいです。独自セールと地域特化セールを活用しましょう。
8番出口やNEEDY GIRL OVERDOSEの成功事例、とても参考になりました。
価格は単なる数字ではなく、ゲームの価値を伝える重要なメッセージです。皆さんのゲームに合った価格を見つけてください。
リスナーの皆さん、自分のゲームならいくらにしますか?ぜひ考えてみてくださいね。
それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。
さようなら!