スクリプト
Chapter 1 オープニング
皆さんこんにちは、ゲーム開発者のためのマーケティングポッドキャストへようこそ。今日は、日本のインディーゲームスタジオが中国市場でどう成功できるか、という非常に興味深いテーマをお届けします。
タカシさん、こんにちは。中国市場って、なんとなく大きいのは知ってるんですけど、実際どれくらい重要なんですか?
実は、ここが今日のポイントなんですが、Steamの言語シェアで中国語がなんと33.7パーセントを占めているんです。英語を上回っているんですよ。
えっ、英語より多いんですか?それは驚きですね。
さらに2025年2月には、中国ユーザー比率がなんと50パーセントを超えました。Steamユーザーの半分以上が中国からなんです。
Chapter 2 成功事例:NEEDY GIRL OVERDOSEとパルワールド
では、具体的な成功事例を見ていきましょう。まず、NEEDY GIRL OVERDOSE、日本語タイトルは「電脳少女は夢を見るか?」ですね。
あ、あのゲーム知ってます。配信者さんがよくプレイしてましたよね。中国でも人気だったんですか?
驚くべきことに、このゲームの売上の51パーセントが中国からなんです。300万本以上売れた中で、半分以上が中国市場からの収益なんですよ。
51パーセント!それはすごいですね。どうしてそんなに売れたんでしょう?
面白いのは、実は当初このゲームは日本市場向けに作られていたんです。でも発売数日後に、中国からのウィッシュリストが14万件に達して、日本の2倍になったんですね。
えーと、ウィッシュリストって何ですか?
Steamでユーザーが「このゲーム欲しい」と登録する機能ですね。購入意欲の指標になります。で、開発チームはすぐに中国市場向けのマーケティングに方向転換したんです。
柔軟に対応したんですね。パルワールドはどうだったんですか?
パルワールドも中国が最大市場で、プレイヤーの約35パーセントが中国からでした。推定で500万本以上が中国で売れています。
それも相当な数字ですね。
ここが面白いんですが、Pocketpairの開発者は「プレイヤーの3分の1が中国からだとは全く予想していなかった。全員が驚いた」とインタビューで語っています。
Chapter 3 なぜBilibiliが重要なのか
さて、中国マーケティングで最も重要なプラットフォームの一つが、Bilibiliです。
ビリビリって聞いたことあります。中国版YouTubeみたいなやつですよね?
そうですね、動画プラットフォームなんですが、特徴が違います。月間アクティブユーザーが3億7600万人、1日の平均滞在時間がなんと112分なんです。
112分って、2時間近くですよね。すごいエンゲージメントですね。
しかも、ユーザーの80パーセント以上がZ世代で、ACG、つまりアニメ・コミック・ゲーム愛好者が中心なんです。
ACGって、アニメ、コミック、ゲームの略ですね。日本のコンテンツと相性が良さそう。
まさにその通りです。Bilibiliは日本アニメの最大輸入プラットフォームの一つでもあるので、日本発のゲームにとっては最適な場所なんですよ。
なるほど。じゃあ、どうやってBilibiliを活用すればいいんでしょう?
意外なことに、YouTubeやTikTokとは違って、Bilibiliはアルゴリズムによるブーストではなく、コミュニティと推薦に基づいて動画が広まります。
へえ、それは面白いですね。具体的にはどういうことですか?
つまり、「たくさん投稿する」より「少なく高品質」が有効なんです。週に1から2回の動画投稿で、弾幕コメントを誘発するようなコンテンツを作ることが大切です。
弾幕コメントって何ですか?
ダンムーと呼ばれる機能で、動画の画面上にコメントが流れる仕組みです。ニコニコ動画をイメージしてもらえればわかりやすいですね。これがエンゲージメントの鍵になります。
Chapter 4 他のSNSプラットフォームとの使い分け
Bilibili以外にも使えるプラットフォームってあるんですか?
もちろんです。中国には独自のSNSエコシステムがあります。主要なのは、Douyin、Weibo、WeChatですね。
Douyinって、TikTokの中国版ですよね?
そうです。1日6億人以上が使っていて、リーチは最も広いんですが、ゲームとの相性という意味ではBilibiliには劣ります。60秒制限があるので、ゲームの深さを伝えにくいんですね。
じゃあ、認知を広げるのには使えるけど、深い理解には向かないってことですか?
その通りです。予算配分の目安としては、Bilibiliに40から50パーセント、Douyinに20から30パーセント、Weiboに15から20パーセント、WeChatに5から10パーセントくらいが推奨されています。
なるほど、Bilibiliが中心になるんですね。
Chapter 5 中国市場の注意点と規制
さて、ここからは少し注意が必要な話をしましょう。中国市場には独自の規制があります。
規制ですか。ちょっと心配になりますね。
安心してください。Steam経由での配信は現時点では規制の対象外なんです。ただし、コンテンツには気をつける必要があります。
どんなコンテンツがダメなんですか?
例えば、骸骨、ゾンビ、幽霊といった表現は制限されています。あと、政治的に敏感な内容、特定の暴力表現や性的表現も注意が必要です。
骸骨がダメなんですか?RPGとかだと結構出てきそうですけど。
そうなんです。だから、グローバル版と中国版を分けて、骸骨を肉付きのキャラに差し替えるといった対応をしているゲームもあります。
なるほど、事前に確認しておくことが大事ですね。
Chapter 6 ローカライズとKOL活用
次に、ローカライズの重要性についてお話ししましょう。これは本当に大きな差を生みます。
ローカライズって、翻訳するだけじゃダメなんですか?
いい質問ですね。データによると、ローカライズなしでは68から90パーセントの顧客を失うと言われています。逆に、中国語対応すると収益が30パーセント以上増加するケースもあります。
90パーセント失うって、ほとんど全部じゃないですか。
そうなんです。あるゲームは中国語を追加した後、たった1週間で生涯売上の45パーセントを獲得したという事例もあります。
それはすごいですね。KOLについても教えてください。何度か出てきましたけど。
KOLはKey Opinion Leaderの略で、インフルエンサーのことです。中国マーケティングでは非常に重要な役割を果たします。
費用はどれくらいかかるんですか?
目安としては、フォロワー1万から10万のマイクロKOLで1投稿2000円から2万円程度。フォロワー100万超えのトップKOLだと20万円以上になります。
結構幅がありますね。どう選べばいいんでしょう?
実は、最もROIが高いのはマイクロKOLを複数活用する戦略なんです。エンゲージメント率が高く、コスト効率も良い。あと、VTuberとの相性が特に良いですね。
Chapter 7 予算と始め方
気になるのは予算ですよね。インディースタジオとして、どれくらいあれば始められるんでしょう?
最小規模なら5000ドルから1万5000ドル、日本円で80万円から240万円程度で始められます。これでローカライズと数名のUP主へのアプローチができます。
UP主って何ですか?
Bilibiliのコンテンツクリエイターのことです。YouTuberみたいなものですね。彼らに動画を作ってもらうことで、ゲームの認知を広げられます。
自分たちでやるのと、パートナーを使うのと、どちらがいいんでしょう?
小規模スタジオなら外部パートナーをお勧めします。現地のノウハウやKOLとの関係を持っている代理店を活用した方が効率的です。時差の問題もありますしね。
Chapter 8 クロージング
さて、今日のポイントをまとめましょう。中国市場はSteamの最大市場になっており、日本のインディーゲームにとって大きなチャンスがあります。
Bilibiliが中心になるということと、ローカライズが重要ということですね。
その通りです。NEEDY GIRL OVERDOSEやパルワールドの事例が示すように、意外なところから大きな成功が生まれることもあります。柔軟に対応することが大切です。
中国のファンは本当に熱心だって話でしたもんね。
はい。パルワールドの開発者も「中国のファンは信じられないほど素晴らしい」と言っていました。皆さんもぜひ、中国市場へのアプローチを検討してみてください。
今日は中国マーケティングについて、とても勉強になりました。リスナーの皆さんはどう思いましたか?ぜひ感想を教えてくださいね。
それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。さようなら。
さようなら!